MVNOの勢いが沈静化?大手キャリア+サブブランド連合が優勢に

2015年後半~2017年前半にかけて、料金の安さを武器にシェアをぐんぐん伸ばしていたMVNOですが、ここへきて、その勢いに陰りが見え始めているようです。

安いだけじゃダメ!店舗のなさ少なさに苦情集まる

老舗MVOである「IIJmio」の契約者の純増数が減少している事や、MVNOの多くに回線を貸し出しているNTTドコモが純増数を下方修正する一方、KDDIの田中社長は、au本体からの乗換えはまだ収まっていないものの、MVNO(UQmobile/BIGLOBEモバイル/Jcomモバイル)への乗換えで、ユーザーをグループ内に留める事には成功している主旨の発言をするなど、MVNOの不調と大手キャリア+サブブランドの好調さの明暗が明確に出始めているように感じます。

MVNOは「安い安い」で一気に火が付いた感がありましたが、当初は通信やスマホ等に明るく、MVNOの仕組みや特徴を理解しているユーザーの間で広まってゆきましたが、一般にその名が認知されるに及んで、徐々に通信やスマホに明るくない初心者や年配者の加入者が増えてゆきました。

それにつれて、「店舗が少ない」「サポートが悪い」などのMVNOをあまり理解していないユーザーからの苦情・クレームが通信会社のみならず、消費者センター等にも寄せられ、「安かろう悪かろう」のイメージを持ってしまうユーザーも少なくないようです。

原点回帰…とでも言うべきか、「やっぱり大手じゃないとダメだね」「店頭で教わるには大手だね」「お金の額には代えられないね」と、大手ゃリアの安心・安定に再注目される傾向も見え始めました。

KDDIのMVNO対策がうまくはまった?

(ピタットプランの例 出典:KDDI)

例えば、最もMVNO対策に積極的なKDDIで見てみると、「ピタットプラン」のようなMVNOに迫る割安な料金の新プランをリリースする事で、ユーザーの囲い込みに成功しましたが、それでもさらに割安な料金を重視するユーザーにはサブブランドで訴求する等、何重にもユーザーを囲い込む連合軍作戦が功を奏した格好です。

実際の処、実は「ピタットプラン」の中身をよくよく吟味してみると、実は同じデータ容量を使った場合の料金は決して安くはないのですが、従量制(使った分だけ支払う)料金のため、最少データ量の料金を表記できる事や、UQmobileなどで成功している初年-1,000円引きをキャンペーン導入しアピールする事で、MVNOに迫る安い料金とうまく見せかけている側面も少なからずあると思います(もちろん従来料金よりは割安ですが)。

さらに、UQmobileでは2年契約ながらMVNOと大差ない料金で利用できる上、MVNOの中で群を抜く通信速度や通信安定性、さらにMVNOとしては唯一(※)「iPhone」をラインナップする等、その立場を最大限に利用した商品構成・サービス展開で人気を得る事に成功し、急速に純増数を伸ばしています。

(※:2017年11月、同グループのBIGLOBEでもiPhoneの取扱いを開始しました)

また、2017年になってすぐ、KDDIによる買収が行われた「BIGLOBE SIM」は、「BIGLOBEモバイル」と名称を変更し、従来のドコモ回線はそのままに、新たにau回線も取り扱うマルチキャリアとして再スタートを切りました。

多少準備に時間はかかりましたが、2017年8月には待望のau回線SIMを発売し、さらに、同年11月には、Y!mobile/UQmobileに次いで、大手キャリア以外でiPhoneをラインナップする第3番目の通信会社となりました。

ドコモ/au回線が選べる事、UQmobile並みの安い価格でiPhoneSE/iPhone6sを購入できる事などで、今後はUQmobileで取りこぼしたユーザーをすくい上げてゆく役割を果たしてゆくものと思います。

さらにケーブルTVが本業の「JCOM」も、本業の顧客をターゲットに格安SIM利用者の開拓を積極的に行っており、UQmobile/BIGLOBEモバイル/JCOMモバイルと、三者三葉のユーザー開拓で、本家auを補完しています。

Softbankは安泰?ドコモはピンチ!?

格安SIM/MVNOに当初消極的だったKDDIとは対照的に、早くから「Y!mobile」を立ち上げ、積極的に格安SIM志向のユーザーの取り込みを図ってきたSoftbankは、グループとして安泰のように見えます。

一方、自社では格安SIM/MVNOを持たず、グループ会社化もしないNTTドコモは、KDDI/Softbankの両社の「本体+サブブランド」連合作戦に完全に押されている…という様相です。

すでに700社に及ぶと言われるMVNOのほとんどがドコモ回線を使用する現実は、MVNOが伸びている間は回線の貸出料金で潤いますが、逆に、その伸びが停滞してくると、それに代わるものを持たない分、収益減は避けられず、苦しい状況が続いているようです。

先日のFREETELのように、他のドコモ回線MVNOが破綻するケースも今後は増えてくる可能性がありますが、それらを買収してグループ化する…というKDDIの動きはまだ続くのか、Softbankは、ようやく日本通信がSoftbank回線MVNOを開始し、So-netがMVNEとしてSoftbank回線を扱うことを発表するなど、今後の展開が気になります。

苦境に立ったMVNOがどう打開してゆくのか、ドコモはどんな支援を行うのかも併せ、格安SIMから目が離せません。

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